« やっと振り返る。 | トップページ | ひと山越えた感じです。 »

2018年6月 5日 (火)

郡司さんと『はははのはなし』  

 加古里子さんの訃報を知ったとき、まっ先に浮かんだのは『はははのはなし』でした。

そしてほとんどセットで思い出す『ちのはなし』。


 この二冊はわたしにとって、たぶん初めての、むかし話やおとぎ話ではない、いわゆる「科学絵本」で、とくに気に入って何度も読み返していました。「は」のほうが先で、そのあと「ち」が来たように記憶しています。

 

きょう、職場(市民活動推進センター)に郡司俊雄さんがいらっしゃいました。

郡司さんは、在野の児童文学研究者、というと堅苦しいですが、ご自宅に隣接する書店だった場所に、いまはご自身とご家族の歴史でもある絵本や児童書がぎっしり。そこを「絵本館」として地域に開放し、お母さん向けの児童文学の勉強会や、貴重な幻燈作品の上映活動を続けておられます。

 

終戦のとき15歳だったというから、たぶん1931年生まれの、御歳87歳。

「こどものしあわせ通信」と名付けられた、B5判に両面きっちり2枚分の、お手紙のようなコラムを、毎月ご自身で印刷しに見えるのです。

掲示のために何部か置いていってくださる、きょうの最新号が「№234」ということは、順調に月一回ペースで発行されたとして19年半の計算になります。

 

今月は、やはり加古さんの話題です。冒頭にそのお名前が見えたので、

「『はははのはなし』が大好きで、一緒に堀内さんの『ちのはなし』もよく読んでいました。」

と言いましたら、ニコッと笑って

「『はははのはなし』のさいごに、お父さんが出てくるでしょう。

あれは、加古さんご本人じゃないかと思いますよ。

ぼくは、一度しかお会いしたことないけど、たぶんね。

あーっ!これは本人だ、と、思ったんだよ。」

こんな感じで、ホントに楽しそうに絵本の話をなさるのです。

 

そこで、センターの情報誌最新号をお渡ししました。

「りんごの会の青木さんが、来月9日に「おはなし会で出会った絵本作家たち」と題して、エピソードを披露してくださるんです。予定が載っています。」

とお伝えしましたら、うれしそうに「これはおもしろそうだ、聞きにこなくちゃね。」と言ってくださいました。

 

夜、あらためて「通信」を読むと、

「化学エンジニア加古さんが絵本とかかわるきっかけをつくった人は(中略)

のちの堀内誠一夫人 堀内路子さんです。」

と書いてあるではありませんか。

幼い頃のお気に入り絵本二冊の背景に、こんな素敵な巡り合わせがあったなんて

 

本を読んでいると、それが何十年、何百年前に書かれた本であっても、たびたびこういった‘つながり’に気付く瞬間がありますね。

 

わたしは今日、若き日の加古さんと堀内さん、そして二人のあいだで、鼻の頭に小ジワをいっぱいよせて笑っている路子さんに、巡りあえました。

それを教えてくださったのが郡司さんというのがまた、うれしかったのです。

ちなみにこちらが『はははのはなし』(福音館書店)の表紙です。


Photo

 

余談ですが堀内誠一さんは1932年生まれ。郡司さんと同い年か、ひとつ下です。つくづく、早すぎました。

 

 

|

« やっと振り返る。 | トップページ | ひと山越えた感じです。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/204760/66795772

この記事へのトラックバック一覧です: 郡司さんと『はははのはなし』  :

« やっと振り返る。 | トップページ | ひと山越えた感じです。 »