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2014年7月

2014年7月23日 (水)

『本屋さんのダイアナ』を読んだ。

娘を持つお父さん、あなたが読むべき本です。

『本屋さんの大穴』だったらこの本は、直木賞候補になっていただろうか。
かわいらしい装丁を見ながら、ふと思った。
この名を思いついた時、筆者は本文中のティアラと同じ表情をしたのではないか。

転校生、みんなと違う髪の色、複雑な家庭環境・・・この物語では「大穴」が、アンの設定で描かれている。

育った環境の違うふたりの少女が、ないものねだりをしながら仲良くなり、誤解から疎遠になり、
それぞれ《本当の自分》と《なりたい自分》との間で揺れながら成長していくお話。

進学という避けられない環境の変化によって、親や友達との関係が急激に変化していく年頃を描き、
エピソードも盛りだくさん。

彩子が大人になる過程で、バブル期に実際に起こった事件がモチーフになっている部分は、
賛否がわかれるところだろう。

教訓めいた表現があるわけではないが、男女平等とか女性の社会進出とかとは関係なく、
こういうことは未来永劫かたちを変えて起こりうるものだろう。
女の子向けの本と思わず、男性にも読んでほしい。

途中どんよりする部分もあるが、読後感はさわやかだった。
読者の年齢と性別によって、感じるものは違ってくるだろう。

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2014年7月15日 (火)

長崎からきた女

わたしの悪い癖なのですが、文章が長くなると直したいところが目について、アチコチいじっているうちに時機を逸し、ついにお蔵入りという記事がいっぱいあるのです。

いくらいじっても大して変わらないので、もうあきらめてとりあえず上げてしまいます。

 

さて、そろそろTIBFの話題も終わりにしなければ、次の出来事が書けなくなってしまう。

 

なにしろ東京ビッグサイトですから、広い会場に大手出版社のブースがずらり。

最近はそれも「出版○○会」とか「◇◇グループ」とか、数社がまとまって大区画を確保していることも多くて、じつは会場にいる人間の多くは「出展者」のカードを首からさげています。(他には「クリエイター」「出版社」「書店」「読者」などがある。)

年に一度の合同キャンペーンみたいな空気が漂い、名刺が飛び交い、書店ではありえない家電量販店並みの呼びこみや、スタッフ同士が「ご無沙汰しております」「△△さんのところ見てきたよ」などと談笑する姿もあちこちで見られます。

 

そんな中、あまり人通りの多くない通路ではあったのですが、輪をかけてポツンというか、そこだけポコンと空間があって、なんとなく、視線がとまる。。。

並んでいるのは普通の本より小さな本。おおっこれは!と近くによれば、見るからに手製本の、豆本から上製本までの作品が、お行儀よく並んでいるではありませんか。

 

そのブースにいるのは、たぶん自分と同年代くらいの女性。パッと見 内気そうな、見るからに文化系女子。

「手製本ですよね。全部ご自分で?」と、声をかけると、戻ってくる言葉がなんだか懐かしいイントネーション…つられて故郷の言葉に戻ってしまう。あーこのかた、九州だ。

聞けば長崎からいらしているそうです。

 

しかも驚いたことに、このブースをひとりで借り切っての出展!えええ!?そんな無茶な。いったいなぜ???

「ブックオカに出て、すごく楽しかったので。やっぱり東京に出てみたいと思って。」

いや~ブックオカは本好きによる本好きのための大ブックイベントだもの楽しいに決まってる。それに引き換えここは出版業界ビジネスの場。会社単位でお金を動かす場なんである。相当なもんだったでしょ、出展料。

こっそり聞いた金額は、わたしの給料の数カ月分。わたしなら出せない。出そうとも思わないが。

何故に、こっちなのか。2階ではイラストレーターやライターたちが売り込み合戦を展開しているクリエイターEXPOも同時開催中だというのに。

「出るならこっちだと思ったんです」

 

すごい。口調はおっとりなのに、言ってることが肝っ玉。

ある意味無知ゆえの暴挙いやいや冒険心。
そして、一歩踏み出したら後へは引かない九州魂(なのか?)。

 

なんだかいろいろ聞きたくなって、いっしょにブースの中に、並んで座って話しこんじゃいました。

 

執筆も印刷も自分で、という作品はどれも丁寧で、光沢紙に全ページ写真をプリントした豆本もあれば複雑な綴じ方の和本もある。

その場ではさらっと目を通しただけだったけど、結婚詐欺をテーマにしたという「勢戦」は、ここまで晒すかというご自身の子供時代の写真に短い一言を添えて、笑いも誘うし毒も効いた痛快な1冊。

この1冊で、この人がすごい、というのは伝わった。中身がある。

購入したのはほかに、『いシょ♡』『一匹狼』『イワンの手、アクマの手』『じゃじゃ・上巻』

ご本人もおっしゃってましたが、生死がテーマになっているものが多いです。

 

興味を持った方は、こちらをご覧ください。

http://www.seikohatakeyama.com/

 

栃木にも行く!とおっしゃってくださってます(笑)
これは、開催せねばなりませんなぁ。

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2014年7月 8日 (火)

ブックフェアでの収穫

東京国際ブックフェア2014の収穫を、ざっと写真で記録しておきます。

P7060015
右が、ウィー東城店 佐藤店長のセミナーのテキストです。

店長、立派にならはって・・・(誰口調?)




毎回楽しみにしている造本装丁コンクールの冊子。
今年のは500円。 去年のは300円。
でも受賞作がちゃんとカラーで、小口とか特殊加工部分をアップで載せてあるから、
これは、妥当な値段です。
白黒だったら300円でも全然魅力的じゃない。
P7060014

  農文協。つい、本じゃないものを買ってしまう。 つるっとした竹紙のノートと、鹿角の靴べら。
トロさんが鹿を仕留めたら、季刊レポでこういうノベルティが作れるかも(笑)

竹紙ノートを見ていてふと思いついたのは、栃木の麻は、紙にならないだろうかってこと。
あまり、布には向かない麻だと聞いたことがあるので。
ヒマワリのタネはオマケでいただいた。どこに蒔こう?
 
 
P7060013
ヴィジュアル部門。
アンのスクラップブックは、モンゴメリ自身がつくったという。
ファッション画の切り抜きやもらったカード、押し花、
お気に入りの布地を丸く切っていくつも貼りつけたページ。。。
   
これぞ『赤毛のアン』の、乙女心の源泉といった感じ。
 
 
アンデルセン童話は、洋書バーゲンコーナーで。
こういうのはインテリア感覚なので、新品よりむしろ古本の方が味があっていいンだけど、なんて書くと怒られちゃうかしら(誰に?)。
 
  
  
 P7060012
 
  文学文芸部門。
季刊レポ編集部の木村カナちゃんに、「栃木市は吉屋信子の出身地でしょう?山本有三だけでなく、吉屋信子をテーマにしたイベントができるのでは」と、ご提案いただいて、いままでろくに読んだことなかったのですが、ちゃんと勉強してみようと思います。
   
さしあたって、イマドキなカバーにリニューアルされた河出文庫版から。
いや、いつの間にこんな、《少女小説の元祖》とか《乙女たちのバイブル》なんて言われるようになってんの?
小沢真理さんが描いて愛蔵版コミックスにもなってるらしい。。。の、乗り遅れるぅ。
   
 
 
石田千さんは、昨年のブックフェアで、これからの本屋に求められるもの、みたいなセミナーで、HONZの成毛さんとヴィレヴァンの菊池さんと一緒にしゃべっておられた。
『バスに乗って』はその時買ったんだっけな。 今回の『もじ笑う』は書道雑誌の連載だったとか。んわぁ、たのしみ。
 
 
P7060011  
 
 
手塚治虫『フィルムは生きている』箱入です。そしてこのタイトルの文字とフィルムの枠を見ただけで、あ、和田さん。と気づく。
 
わたしの大好きな星新一さんの装丁も数多く手がけてらっしゃるし、母が黒柳徹子さんの舞台を好きで、何度か見に行って以来、毎年ご案内が来るのですが、そのチラシが和田誠さんなんです。
独特ですよね、この和田レタリング。
   
 
楽月慎『思川バルーン』は、タイトル通り栃木県小山市の思い川が舞台で?
朝日新人文学賞だそうだけど、新聞記事で見た覚えはあるものの、書店で見かけた記憶はなく、せっかく目に留まったので買ってみました。
  
  
  

P7060010
そして今年は玄光社のブースで、タガが外れてしまったようです。
手作り印刷とアイデアラッピングという、紙モノ系2冊と、
 
益子焼の器がたくさん載っている生活雑貨モノ。
 
そして、最近仕事で頻繁に使うようになったせいか、カメラテクニックの本が気になります。
 
 
  P7060009
だがしかし、今回の目玉は別にあるんです。後日、別に発表します。
 
 
 
なんて、もったいつけちゃいますが。
 
 
やっぱり、モノというよりはヒトなんだろうな、
 
 
心をつかまれたり、動かされたりするのは。
 
 
最初のとっかかりはその作品とか、製品とか、いわゆるモノだったとしてもですよ、
 
 
《おっ》と思ったら、どんな人が作ったんだろう、って気になるし、
 
作った人が素敵だったらさらに《わぁ―》ってなるでしょう。
 
 
 
というわけで、請うご期待。
 

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2014年7月 6日 (日)

今年の東京国際ブックフェア

今年も、行ってきましたカートを曳いて  東京国際ブックフェア!
 
 
ことし届いた招待状見てびっくりしましたよ。
 
あの、お好み本ひろしま(2009年11月)でお会いした“町の御用聞き本屋さん”ウィー東城店の佐藤友則さんが、書店員向けセミナーの講師!?
 
あの頃から、お店で子供たち相手に手品やってるとか言ってたなぁ。
「Book・la」っていう、本好きのためのSNSを立ち上げて、作家さんともつながったりしてた。
底抜けに明るい、そしてアツい人で、お客さんに頼まれると断れなくて、年賀状のあて名書きとか、本屋がそこまでやる?っていうようなことまで引き受けてたっけ。
 
 
わぁ、すごい。これは絶対聴きに行かなきゃと思って、チケット申し込みました。
 
講演のタイトルは『儲からない話が黒字を生んだ!』そうか、地道に種をまいていたんだ。それがちゃんと収穫につながったんだな。。。
 
というわけで、すごくすごく楽しみにしていたのです。
 
講演では、お店の立地や町の実情から、人柄がにじみ出たエピソードの数々、具体的な設備投資の金額や粗利計算まで。そして、町の本屋の可能性について。
 
 
佐藤さんの話を聞いていると、地方の本屋には未来がある!って思えてきました☆
 
・・・って、よく言うよ(笑)
 
自分が書店員だったころは、正直、本以外のものを売ることに若干の抵抗がありました。
 
でも外側から見ると、本屋にこれが置いてあったらいいなって思うものがけっこうあって、地域密着ってそういうことなのかなと、いまなら思う。地元の本屋さんたちにも頑張って欲しいです。
 
いや、これ本屋だけじゃない気がする。町のお店屋さんたち、みんなで情報交換して手を結んだら、大型スーパーに負けないことができるんじゃないかな。
 
講演の後、みんな個別にご挨拶したくて行列を作ってる。迷ったけど、わたしも並んで順番を待ちました。
 
そしたらねー、覚えててくれたんですよ。さすがに名前までは出てこなかったと思いますが、「前にお会いしましたよね」って。
お好み本で、といったらすぐに思い出してくれて、
一箱古本市を地元でやったことを嬉しそうに話してくださいました。
そういえば店舗写真に「マドレーヌひよこ堂」さんのセレクト棚が写っていました。
わたしの携帯の待受けに、今でも時折登場する、マドレーヌひよこ堂さんの一箱画像は、あの広島のときのものです。
おしゃれなピクニックバスケットをかわいくディスプレイされてて、他がほぼ段ボールの店構えの中で、輝いてました。
芋づる式にいろんなこと思い出しちゃったな、ブックフェアの話題にいこうとおもってたのに。
またこんど。

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2014年7月 3日 (木)

7月読書会のお知らせ、などなど

あっという間に7月です。
 
 
6月も読書会ができなかった。。。と思っていたら、主催の新井さんからfacebookにこんな投稿が。
 
 
「ご無沙汰してました。
 腰痛からは回復しつつありますが、なかなか予定が合わずに読書会を開催できずにいます。
  突然で申し訳ありませんが、どなたか私に替わり読書会を主催していただければと思います。
  今年度はまだ栃木市在住ですが、来年度異動となれば私も引っ越しをすることになるかもしれません。
  そうなる前にどなたかに読書会を託したいというのが現在の心境です。
  こちらのメンバーでも、どなたかのご友人でも結構です。
  どうぞ、よろしくお願いします。」
https://www.facebook.com/groups/292430497554194/permalink/493427020787873/
 
 
 
あらたいへん!どうしましょ!というわけで、今月は第4土曜日に開催します。
 
誰の都合も聞いてませんが、緊急事態につき、独断です。
 
早めに告知しますので、どうかひとりでも多くのかたに来てもらえますように。
 
 
 
  **************************
  蔵の街 読書CAFE 7月読書会
 
  2014年7月26日 19:00 - 21:00
〒328-0012 栃木市平柳町1-43-11 2階
      カフェ・ごはんできたよ
      電話:0282-51-1179
**********************************
 
 
 
 
 いろんな意味で、転機なのかもしれませんねえ。
 
 
 
dassen2号もゆっくりとではありますが、進行しています。
 
 
ひさびさに4人揃うというので、原点である国立へ。
 
 
https://www.facebook.com/quatre.de.nitch?ref_type=bookmark
 
 
dassen創刊発表会をした国立本店に行ったところ、
 
 
以前知的障害児施設でお仕事をされていたという方がいらして、
 
 
たくさんの情報を得ることが出来ました!

 
  
 
国立は、まだまだ訪れたい場所がいっぱいだ~。
 
 
  その国立本店で入手した「ののわ」7月号に、こんな文章が載っていました。
 
 
以下引用
 
~~~~~~~~~~~~
これまでの街づくりは大きなシステムを考える都市計画から始まっていましたが、
 
ヨーロッパでは、街に住む人が街を愛し、使いこなせるようにすることのほうが大事なのではないか、
 
という考え方が出てきました。「シビックプライド」とは街に対する自負と誇りです。この気持ちを育んでいくことが大切なんですよ。
 
 
~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
「街を使いこなす」!なんて素敵な表現でしょう。
 
 
これは、第3回 ののわトークセッション 公開対談での、デザインプロデューサーの紫牟田伸子さんの発言で、このあと対談相手の家具デザイナー小泉誠さんとのやり取りの中に、さらに深いお言葉が出てくるのですが、、、そこは自分の肝にしっかり銘じておきたいと思います。
 
 
 
↓↓「ののわ」については、こちら↓↓
http://www.nonowa.co.jp/areamagazine/
 
 
 
数日前、映画祭まちなかイベントグループのおつかれさま会を、倭町の清水屋本店でやりました。
 
 
 
いまは営業していないお蕎麦屋さんの店舗兼住宅なのですが、元店主のお孫さんがひとりで暮らし始め、まちなかプロジェクト・大波さんの呼びかけで仲間が集まり、「居場所」として再生したのです。
 大波さん、シビックプライド高い。(褒めてます。尊敬してます。)
 
 
 
 
====この先、蛇足=====
日本人は長いこと、木と草と紙でできた家に住んできたし、遷宮なんてのもあるから、壊して新たに作り直すことに抵抗が少ないのか。けれどいまどきの建物は鉄とコンクリートが素材で、循環している天然素材のようなわけにはいかない。
木の家だって、大事に使えば何百年だってもつ。そういう家と、壊すことが前提のお宮さんとでは、そもそも材料も作り方も違う。
きちんと手入れすれば何百年も持つ木の家や蔵。そのやり方も知っているのに、手間やお金がかかるとか、後継ぎがいないといった理由で放置され、どんどん朽ちていく。そのうち、手入れのやり方や道具も忘れ去られていく。

経済も、そしてたぶん文明も、永遠に右肩上がりなんてありえない。
成長のあとには老化が始まる。いかに健全に衰退していくかを考えようよ。
 
 
先人が何百年もかけて培ってきた叡智を、うちらどんどん捨ててる。
科学や医療は進歩してるのかもしれないけど、人類は自ら破滅に向かって進んでるような気がしてならない。
どのあたりからだろう。産業革命?身の程知らずに空を飛んだから、罰があたったのか?

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