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2013年12月16日 (月)

『飲めば都』を読んだ。

忘年会シーズンだからというわけでもありませんが、
みなさんお酒はいける口ですか?

わたくしこれでも、そこそこたしなみますがあまり顔に出ないタチでして。
若いうちこそ冒険も致しましたが、最近はもう、おとなしいもんです。

先月、東京に出て久しぶりに会う仲間たちと盛り上がりました。

言っときますが、久しぶりに東京へ出たのじゃありませんよ。
東京へはちょくちょく行ってますが、そのとき会った仲間とは
久しぶりだったということです(田舎者の主張)。
そんなことはどうでもいいとして。
途中の駅に車を置いて電車で行ったのですが、
最寄駅から自宅は歩ける距離だし、車は通勤には使ってないし、、、
であれば飲んでもいいかな、となりますねぇ。


とりあえずのビールというのがあんまり得意でないものですから、
最初は軽めのカクテル系。
それから、九州料理のお店ということもあって、焼酎のお湯割りをいただきました。

まあしかし、そこは栃木まで帰らなければいけない身。
ほどほどにして、終電に間に合うように店を出ましたよ。

終電というのは都内を走ってるうちはかなり混んでますが、
利根川を越えるころにはたいてい座れるものです。

そして座ると一気に睡魔の餌食。
どこかの駅でドアが開いてスーッと冷気が吹き寄せ、
おぅ、寒いじゃないかと目を覚ませば、そろそろ降りる駅が近づいてます。
それじゃあ切符を出しておこう。(ええ、いまだに切符の人です)
あと、家の鍵はカバンの中だっけ、それともポケットに入ってたかな。。。

ん?   いえの、カギ?


そこではたと気付く

家の鍵は車の中に置いてきたのでしたー!

しかもこの日は遅くなることがわかっていたので、
父はショートステイでお世話になっていて、
つまり自宅にはだれもいないのです。

なんてこった。家に帰っても家に入れないなんて、悲劇だ。


そうこうするうちに日付も変わって栃木駅到着。
終電なのでホームや構内でもたもたしているわけにもいかず、
おもてに出れば寒風吹きすさぶ霜月の夜です。

とにかく、誰かに助けを求めねば。

この時間に起きていて、いまから車を出してくれそうな人。
とっさに頭に浮かんだ友人に、メールで《ごめんね、起きてる?飲んでない?》
すぐに電話が鳴りました。「飲んでないよ、なにかあった?」
ホッとしたのと情けないのとで、開口一番ぐへへへ、と笑うと「えー、泣いてるの!?」
いやはやまったく面目ない。これこれこうと事情を説明すると
あきれながらも笑って駆けつけ、車を置いている駅まで
往復で2時間近く、運転手を務めてくれました。

感謝感激、持つべきものは友ですな。
この友人もけっこうお酒が好きなヒトなので、叱りもせず足になってくれましたが、
彼女がこの晩飲んでなくて、ほんとによかった。




こんなふうな、お酒に飲まれた与太話のひとつやふたつ、
みなさんにも心当たりがおありでしょう。
そうして身に覚えがあるからなのか、
飲兵衛はたいがい酔っぱらいに寛大なのです。

わたしの失敗談はさておき、飲めば都ですよ。

スミマセンもう、前置きが長くて。

「え、前置きだったの?」という声が聞こえてきそうですが、
そうです。ここからが本の話です。
北村薫といえば、女性読者から「どうしてこんなに女ゴコロがわかるのか」と、絶大な共感をもって支持される魅力的なヒロインを生み出してきた作家さんですが、今回のヒロインは北村史上、かなりはじけてる部類に入るというか、要するに飲兵衛です。

その飲兵衛ヒロインが、都(みやこ)さんというお名前なのです。


出版社にお勤めの都さん。酔っ払いデビューは高校の卒業旅行。
職場の歓迎会で上司に絡む伝説を残し、いずれ劣らぬ酒豪の先輩たちにかわいがられながら、今日もあっけらかんと、ときにしみじみと、酒飲む日々をえがいたお話です。

都さん入社三年目のとある日。
九州出身の先輩に、九州料理を出す居酒屋へと連れて行かれる一夜が訪れます。
とりあえずビールのあとで、先輩に「飲みやすいでしょ」と勧められるまま黒糖焼酎をいただきつつ、持ち帰りの仕事もあるのでと、お先に失礼。
足がもつれながらも見慣れたドアに辿りつき、鍵を開けようと思ったところで、鍵どころかバッグまるごと、どこかに置き忘れてきたのに気付くというくだりがございます。



===やぁ、どこかで見たような展開デスネ。



奇跡的にも、お財布だけ握りしめていた都さんはタクシーを捕まえてお店に戻る。
というあたりは、花の都・東京ならではの出来事だなぁと、わたしなんぞは思うわけですがね。



ところがお店に戻った都さんを待っていたのはバッグではなく
別の再会劇なのですが、、、それは読んでのお楽しみといたしましょう。




なにしろ都さんはわたしにとって、北村作品の中で
最も親しみを感じるヒロインとなったことは言うまでもありません。
本の印象や感想には、読むタイミングというのも大いに影響しますね。

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