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2010年6月

2010年6月28日 (月)

茂田井 武 「ton paris」展 観てきました。

茂田井 武 は1908年生まれ。
戦後、児童書や雑誌の装丁・挿絵などの仕事をしていた人です。
代表作は福音館書店の「セロ弾きのゴーシュ」
病の床に伏しながらも、「これができるなら僕は死んでもいい」といって取り組み、
ほんとうに最後の作品となってしまいました。。。

今回は、茂田井が1930年にシベリア鉄道で渡欧し、
3年ほど放浪していた間の、パリでのつましい暮らしを絵日記的に描いたものや、
後年、旅の様子を作品にしたものなどを集めて展示しています。

水彩や色鉛筆の淡い色彩で、ボカシやかすれを多用した柔らかいタッチ。
おそらく型紙を使ったと思われる、版画やステンシルのような効果。
わたしの知る児童画の茂田井さんよりも、もっとメルヘンチックな、
若き日の茂田井さんの世界が広がっていました。
お金はなくとも夢がある、といった感じでしょうか。

さあここで、茂田井ファンに朗報です。
ながらく絶版となっていたこの『ton paris』が、
来月講談社から復刊されるそうなのです!
広松由紀子さんの解説で、たしか3200円くらい。

ちなみにこの展覧会の図録が、コンパクトながらカラーで1200円と、価格もお手ごろ。
けどその横で復刊の告知をしてたんですよ。
迷ったあげく、やっぱり復刻版買おう!と。
美術館的には、図録が売れた方がうれしいのでしょうが、、、

なにしろこれに関しては待望の声が多かったですから、
ホントに、講談社、よくぞやってくれました。
いや、でも、褒めるのは、中身を見てからにしよう。
画集の評価は印刷の質次第です。がっかりさせられないといいけど。

ショップでポストカードと一緒に『じぷしい繪日記』を購入。
地の文(日本語)がカタカナで、他言語の名詞に平仮名を用いています。
これに漢字が混じり、独特なリズムと味わいが生まれました。
旅費が尽きると、似顔絵描きや、日本人サロンで下働きをしながら稼ぎ、
ときには映画や芝居を見たり、恋に胸ときめかせたりしていた様子が
いきいきと綴られていて、文章もすてきなのです。

ところで、開催地の大川美術館は、栃木市から佐野、足利と国道50号線を走って1時間ちょっと。近代織物産業の町として知られる桐生市に入り、JR桐生駅の北側、水道山の中腹にあります。
かなりの斜面に建っているため、入口は4階で、そこから下へ降りながら展示室を巡るようになっています。

おもな収蔵品は松本竣介を中心に野田秀夫、清水登之。それに難波田龍起・史男など。
他には松本竣介に影響を与えたとされるピカソやルオーも常設展示されていました。
個人美術館で、館長がこだわりをもって集めた作品たちの、独特な世界観があります。
こういう美術館も面白いですね。

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2010年6月17日 (木)

本日入荷!

本日入荷!
『たぶん彼女は豆を挽く』

アアルト・コーヒーの庄野雄治さんが、
ミルブックスから本を出されました。
コーヒー豆の基礎知識や、手軽においしく淹れるコツ、
そして、徳島にある庄野さんのお店に
まつわるエピソードもたくさん。

コーヒー好きじゃなくても、
自分のお店を持ちたいと思っている人や、
生き方を模索している人にも
おすすめです。

http://aaltocoffee.com/news.htm

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2010年6月 5日 (土)

あなたのとなりの死刑。

http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/index.html

5/30放送のETV特集「“死刑裁判”の現場~ある検事と死刑囚の44年~」を視ました。
最高検察庁の元検事が、かつて関わった強盗殺人事件と
その被告(死刑囚)について振り返り、
死刑とはなにかを考えるというドキュメンタリです。

もと検事は31歳の時、強盗殺人を犯した22歳の被告に対し、死刑を求刑します。
判決は死刑。その後、検事あてにその死刑囚から年賀状が届いたことをきっかけに、
2人は刑の執行まで6年もの間、手紙のやり取りを続けます。

その中で検事は、死刑囚が後悔と反省の日々を送っていることを感じ、
恩赦にできないかとさえ考えるようになります。

しかし、刑は執行されました。

あれから約40年。元検事は齢70を超えたいまも、
あの死刑囚を忘れることはできません。

番組では、死刑囚の生い立ちや事件後の周囲の反応を取材し、
裁判に携わった弁護士や裁判官にも話を聞き、
書き残されたものから拘置所での生活に迫ります。

また、スタジオに刑場を再現し、
じっさいの死刑執行に立ち会ったこともある元検事が、
その様子や心情を語る場面もあります。

死刑囚には労役を課されないことが一般的に知られていますが、
許可を得れば内職のような作業をして収入を得ることができるだとか、
むかしは小鳥を飼うことも許されていたとか、
知らないことがいっぱい出てきます。

夜は自殺を防ぐために消灯ではなく減灯といって、ある程度までしか暗くならないし、
入浴時間は、服を脱いでお風呂に入ってまた着るまでで15分だそうです。
そんな生活を何年も続けるなんて、想像できますか?

でも、殺された人や遺族のことを考えたら、犯人が生きていると思うだけで、
耐え難い苦しみ、悲しみ、そして怒りがずっと続くのだと思います。

死刑のことを、やれ税金の無駄遣いだとか、人権侵害だとか、
中途半端な知識だけで語るのは乱暴なことかもしれません。
だからと言って目をそむけていていいということではありません。
いつ自分が裁判員に選ばれないとも限らないし、
家族や親せきが過ちを犯すことだって、ないとは言い切れないのですから。

日本一重い刑罰。
みんなもっと、知ろうとするべきだと思います。

この番組、書籍化されないかなぁ。。。

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