『場所はいつも旅先だった』
おしゃれな古書店、カウブックスの松浦さん。
http://www.cowbooks.jp/top2.html
最近は『暮らしの手帖』の編集長という肩書きのほうが
メジャーになっちゃったかな。
わたしは目黒の店が好きで、ときどき出かける。
真ん中におおきなテーブルがあって、読みながらコーヒーも飲める。
店内に小さなポストがあって手紙も出せるし、
ブッククロッシングゾーンにもなっている。
古本屋として理想だと思う。
先日も目黒区美術館を観たあと、川沿いをてくてくあるいていった。
桜並木はすっかり新緑で、雨が降っていたけれどとても清々しかった。
近所に面白そうな店が並んでいるのを見るのも楽しい。
さて、肝心の、本の感想。
これは松浦さんの自伝的エッセイだという。
旅日記風な、どこまでノン・フィクションだかわからない短編集。
よくいえば素朴な、あまり洗練された感じのしない文章。
これが松浦さんなのか。
じつをいうと、松浦さんの著作を読むのは初めて。
雑誌の記事などはいくつか読んだことがあるけど、
ちょっとイメージが違うぞ。なんでだ。
やっぱりいくらか、フィクションなのかな。
若いころの放浪を書いたものとしては
ふさわしい文体かもしれない。
友人宅や安ホテルを泊まり歩き、
ときには初めて会った人の家にも滞在し、
素敵な女性と出会ったり、怖い目にあったり。
良くも悪くも、日本にいて普通に大学へ行ったり
就職したりしたのでは、
絶対に体験できなかったであろう日々。
観光ではない「旅」に憧れる人にお勧めの本。
何といっても、朝ごはんがおいしそうなのだ。
それにしても、一番ひどい目に会ったのが、
海外でなく東京だったとは、ショックだった。
だけどもしかするとこの事件がなかったら
松浦さんは本の世界に入ってなかったかもしれないので、
結果的にあれは運命だったというべきか。
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